Reise II
:::: その弐 ( 6/02 ) ::::
友人と家族、私ともう一人の友人、計7人を乗せた車は、午前1時半頃にBudapestを出発しました。目指すはルーマニア、Transilvania地方。運転するのは一家の父、真夜中の道路をぶっ飛ばします。英語がちょっと通じるので、出発前に「運転、大変ですよね?」って聞いたら、「僕、好きだからねー。」とおっしゃってました。友人の話では、パリ・ダカールラリーにも関わった人らしく(?)て、往路・復路ともパワー全開でした。暗闇の中でも大雨の中でもパワー全開でした。後ろで5人が眠ってても、パワー全開でした。
ナビゲータの叔父さん共々、大変お疲れ様でした。
ありがとうございました。
ここらで今回の移動の様子を、地図上で確認しましょうか。相変わらずMicrosoft Paintで書いてるので、これ以上のクオリティはきついっす(笑)。地図を目で追いながら描き写しただけなので、若干の縮尺誤差があると思います。
ヨーロッパって、国が多いですよね。ドイツが「ここはドイツだ」と主張できる根拠なんて、本当はほとんど無い気がします。他の国々もまた然り。国家・国境なんて、誰かが勝手に決めただけのものですからね。
さて、上の地図が今回の様子です。乗り継ぎ、立ち寄った所に赤点を打ってあります。色線の西端から東端まで、およそ1,500km。青色は鉄道移動、緑色は車、黄色は・・・です。(今回の記事 Reise II は、上側の緑線にあたります。)
記録を取っていなかったので正確な時刻は忘れましたが、夜明け頃(4時頃?)に国境を越えました。ついでに、そこで両替。ルーマニアの通貨はLEI。現在は旧10,000lei -> 新 1lei(だったと思います)の切り替え作業中で、新旧紙幣が入り混じってます。物価は安くて、ユーロ地域の1/3くらいだった記憶があります(不確かですが)。
余談ですが、旅の間の一週間は基本的に英語のみで暮らしていたので、どうも日本語のようには正しく記憶できていないようです。会話の内容とか、結構抜けてます。なにせ僕の英語は生活最低限レベルなので、その場の応答が精一杯だったわけで…
最初に立ち寄った町は、Cluj-Napoca(Kosozsvár)。注:ルーマニア語名(ハンガリー語名) 残念ながら雨でしたが、まずは教会に入りました。観光地らしく、結構人が来ていました。
さて朝食を取ろうとカフェに入る。服屋併設のところで、オサレな店内でした。
…がっ!!
←写真をご覧ください。日本語吹き出しの漫画が壁画になっております。なんの漫画か知りませんが、「心配(フリガナ付き)すんな」「人間の力ては魔人の「暗黒体」には対抗てき………ん」そうです。微妙に濁点が抜けてて愛らしいですね(←どこがだ)。まさかルーマニアで日本語を見るとは思いませんでした。残念ながら店員さんは日本語分からないみたいでしたが。
次に立ち寄ったのは、Paraid(Parajd)。ここの特産品は、右の写真の物体です。これ何だか分かりますか? 「岩塩」です。ほんとに岩でした。でもしょっぱい。こいつを体重計に乗っけて量り売りです。一家の母様はコレがお気に入りだそうで、コレを買うために寄ったらしいす。
この岩塩は、実際に村に鉱山があって、そこから掘り出してきた物のようです。鉱山内のツアーバスも走ってました。いやぁしかし、岩を運んだ手がしょっぱくなるっていう体験は、初めてでしたね。
もうひとつ、これはTransilvania地方ではごく普通の食べ物なんですが、おもしろいので紹介します。このお兄さんが作っているのは”Kürtös Kalács”という菓子パンの一種です。ドラムに生地を巻いてぐるぐる回しながら炭火で焼く。砂糖が付いてて、焼くとカラメル状になるんですね。お好みでシナモンなどを追加できます。1本400円くらいの価格でした。結構おいしいですよ。
ようやく辿り着いた目的地の村、Lanca de Jos (Gyimesközéplok)。この村のとあるご夫婦の家に泊めていただきました。行く途中に聞いたんですが、アポ無しだったらしい(!)。友人が何度かお世話になってた人らしくて、「大丈夫だよ」という判断のもとで行ってしまったようです。ご夫婦はさぞ驚いたことでしょう。7人もの団体さんが突然やってきたんだから(笑)。
快く家に入れていただいて、しばし歓談。みんなが何話してんだか僕にはさっぱり分かりませんが、こちらの奥さんの声を聞くだけで、久し振りの訪問客をとても喜んでいるのが良くわかりました。そういえば今回の旅の間は、非言語情報について考える機会が多かったですね、ずっと外国(アウェイ)だっただけに。
こちらの家では牛も2頭飼っていて、乳絞りを現場で見させていただきました。なんか目の前で見ると異様です。あれよあれよとバケツ1杯分の乳が出てきます。そんなに一杯どこに入ってたの?そんなに吸い取られて大丈夫なの?って思ったんですが、心なしか絞られてる牛が気持ちよさげに見えて不思議でした。
Transilvaniaっていうのは、Tran/越える、Silvania/森っていう意味だそうです。この村も森の中にあって、日暮れまで時間が無かったので、数人で急いで近くの山に登り景色を楽しみました。素晴らしかったです。
この日の晩は、こちらの家の一室で、寝袋を駆使した雑魚寝状態で7人が眠りました。まるで大学時代の制作部屋のような眠り方だ(笑)。前日が車の中での仮眠だったものだから、あっという間に眠ってしまいました。