映像開発の便利ツール

 MacOSXを使っている人で、何かしら映像分野に興味がある人には、こんなに便利でオモシロイものは無いんじゃないだろうか、と思うほどの便利ツール、QuartzComposerを少し紹介します。正直、いままで触ってなかったのが心底勿体なかったと思うほどの開発ツールです。

 音響分野ではMax/MSPってソフトが有名ですが、あれと同じような感覚で映像を作っていけるのがQuartzComposer。Mac(10.4 Tiger以降)を買った人なら無料で入手できます。というより、既に手にしている事を大半の人が知らないだけなのですが。

 これが作業中の画面で、単純な機能のパーツを組み合わせていくだけで、複雑な映像がいとも簡単に出来上がってしまいます。いま作っているのは、計27枚の画像を3次元空間内でぐりんぐりんと回転させるサンプル。手探りで始めましたが、ものの1〜2時間でカタチになりました。これくらいなら、慣れてくれば15分もかからず出来てしまいそうです。

 QuartzComposerにはタイムラインという概念が無く、またリアルタイムの映像生成を基本としているので、マウスやキーボード、MIDI機器からも制御することができます。(とはいえ一応、スタートしてからの秒数はカウントしているので、変数として利用可能です。)
 タイムラインが無いのは不便な点もあるのですけど、一度映像として書き出してしまえばFinalCutでの編集もできるので、素材を色々作りだすことに特化すればむしろ逆に使いやすい面も多い。始点と終点を定めずにループさせるのもやりたい放題なので、複雑な変化の中から後でイイトコ取りだってできます。

 何はともあれ、一度さわってみたらいいと思います。Appleでは開発ツール扱いなので参考書はあんまり出回ってないのですが、詳しく紹介しているサイトや、いろんな人が作ったスクリーンセーバ(.qtz)を開いて見てみると、かなり参考になりますよ。
→特に未来派図画工作の二十世紀ボヤージは秀逸です。初めて見たときから大のお気に入り。

 Max/MSP+映像プラグインのJitterを買うと数万円はかかるのですが(機能的な差は詳しく知りませんが…)、方やQuartzComposerは無料の開発ツールです。ぜひOSのインストールディスクを引っ張りだして、XcodeをMacに入れてみてください。

 今日は休日だったんですが、事務所に籠ってプログラムを組んでました。普段は日常の業務に追われてて新しいものを作る余裕なんかないので、創作は休日にこっそりと。 元々は商品開発のための研究なので、後々は自分以外の人も使えるようにと、メモ書きも忘れずに。こうしてノートを取ってると「勉強してる」感が溢れてきますね(笑) 大学時代の延長のような、何とも不思議な心地です。