“Work”っていうシリーズで映像を作り始めた理由について
“Work”っていうシリーズで映像を作り始めた理由についてちょこっと。
ネギ農家編 https://vimeo.com/42127122 と製本所編 https://vimeo.com/44092861 がとりあえずできたけど、ネギも本も当たり前のように店に並んでいて、それがどうやって出来てきたかなんて、あまり気にしないし、そもそもそういう裏側が隠れてしまうように社会ができてる気がしてる。
でもその背景を知ると、例えばスーパーでネギを見かけた時に、その後ろに農家の作業の風景が広がって、単なる「百数十円で買える野菜」以上のものに見えてくる。 本来は世の中のものは多層的なつながりの中から生まれてきたものばっかりであって、何気ないそこら辺の物の中にも、そういう背景っていっぱいあって、あまり気にしなくていい世の中になってるからこそ、ふと時折それを意識してみるのは大事なことだし、日常にちょっとした喜びと潤いを与えられると思う。
そしてもうひとつ。世の中のいろんな物が安売りされて「無料」で手に入るものも増えてきたとき、本来ならコストがかかっているっていう意識が抜けがちになる。そういう時、その「ものが生まれてくる過程」を垣間見れたら、作ってる人や作られた物に対して気持よくお金を払えるようにもならないかな、と願ってる。
違法ダウンロードだなんだとか、クリエイティヴ職が安く買い叩かれたりだとかなんだとか、そういうのって「正当な対価として作った人に対して気持ちよくお金を払う」っていう感覚が無いからだと思うのだ。 コピーガードとか刑罰化とか、そうじゃなくて、お互い気持ちよくお金を払い合える関係・環境・文化を創っていくことが、貨幣経済で暮らす人間にとって大事なことなんじゃないかと、そう思うのですよ。