Fractal

 なんだかpassfinderがpassfinderっぽくない、今回の投稿です。
 玉殿、ご注目くだされ。君のための投稿だ(笑)。

 えーっと、フラクタルの本質をきちんと説明するのは非常に難しい(私も理解しきれていない)ので、まずフラクタル図形について、具体例を挙げながら簡単に説明します。

 軽くフラクタル図形について説明すると、「拡大しても拡大しても、どんなに拡大しても相変わらず複雑な図形」と言うことが出来ます。色々言い方はあるんだけどね。今回は、そのうち「自己相似図形」を使って説明します。「拡大しても拡大しても、元と同じ図形」です。

 生物の構造がフラクタル、という文章がありましたが、これについて説明します。とても分かりやすい例として、木の枝分かれ、巻貝の渦なんかがあるので、早速ひも解いてみましょう。

 ぱっと木を見ると、幹から枝が伸びてますよね。その枝を見ると、さらに細い枝が伸びてますね。その細い枝を見ると、また更に細い枝が伸び、どこまでも枝分かれしています。
 ぱっと巻貝を見ると、渦巻いてますよね。よーっく見ると、もっと小さな渦まいてますよね。もっとよーっく見ても、まだまだ細かな渦が続いてます。

 これが「拡大しても拡大しても、元と同じ図形」すなわち「自己相似図形」です。まぁ実際には様々な条件により全体と拡大図では微妙に変わったりするんですけどね。
 フラクタルは、このような状況を数学的に説明(理論化)したものと言えます。一見すると複雑そうなモノや状況を、ある法則を導き出すことで説明しようと試みるものです(←これは物理学全般に言えますね)。細かな定義や数式の例は、百科事典を参照してください。
 不思議なもので、様々な複雑怪奇の自然現象も、このフラクタル(&カオス)理論を用いれば、すっきりと説明することができるそうです。内容的には結構おもしろいものなので、詳しく調べるのもいいかもしれません。

 音響設計学科のみなさん、どうでしょうか?
 間違いがあったら、どんどん突っ込んでください。

 では今度は、その「法則」を実際にやってみましょう。
 細胞分裂の再現みたいなもんです。まずは「木の枝分かれ」から。

 まずこれを基本形とします。「一本の主軸に対して、長さ70%太さ70%の新しい軸が、角度135度で、左右に2本伸びる。」が、今回の法則ということです。
(絵は Microsoft Paint で描いたので、てきとーですが。)


 その法則を、さっきの新しい軸に適用したものが、これです。更にもう一度、


 枝が段々伸びてきました。更にもう一度、


 これで4回の枝分かれをした状態です。

 このまま更に続けていくと、だんだんと植物らしい絵が出来上がってきます。
 (ペイントでは、これ以上はしんどいので略。)

 こうした法則を用い、主軸に対する新軸の長さの比、太さの比、枝分かれの本数、角度なんかのパラメータを変えていくと、様々な木の再現ができるわけです。実際に、これを利用してCG用の樹木を生成するソフトなんかもあります。

 今度は巻貝。っぽいの。

 ちっちゃくて見えませんが、これが基本形。「基本線に対し、右側角度135度、長さ150%の新しい線分が伸びる。」が法則です。
 同じくペイントで描いたので、てきとーです。

 前回と同じく、新しい線分に法則を適用したものです。
 なかなか進まないから、次は一気に進化しちゃえ!


 9回目の法則適用後の姿です。まきGい!


 13回目。


 17回目・・・
 大きくなり過ぎるので、もうここで止めます。

 とまぁ、こんな感じで巻貝が出来ていくのです。線分を短くして角度を緩くすれば、曲線に近づいていきます。はじめから曲線をベースに法則を作ったっていいんだし。

 というわけで、前に掲載した結晶が、見事に法則で出来上がった理路整然・フラクタル図形だよね~というわけでした。分かったかい?玉殿。

:: 注意! ::
 くれぐれも、この記事をフラクタルのための教材だとは思わないでください。筆者が記憶と論理をもとに、ろくに調べずに書いただけのものです。正しく理解したい人は必ず専門知識のある人/専門書を頼ってください。

P.S.
 人間の内臓の構造(たとえば柔突起とか)なんかも、フラクタルでいい感じに説明できるんでしょうね。よく図表に載ってるフラクタルとかカオス図形の例(とくに色付けしたヤツ)を見ると、あまりの細かさと生々しさに気持ち悪くなってしまうのは僕だけでしょうか・・・