15年前の今日② 凍った湖と巨大な結晶
前回の続き。当時住んでいたFreiburgはドイツ南部のSchwarzwald(シュヴァルツヴァルト=黒い森)の辺境の町。地域一帯の交通フリーパスを持っていたので、Schwarzwaldへも頻繁に通っていた。
Schluchsee, Breisgau-Hochschwarzwald, Germany. 2006-0113.
Freiburgから列車一本で行ける山の中に、Schluchsee(シュルフゼー)という湖がある。前々日の霧氷を思うに、きっと山の中は綺麗な雪景色が見られるだろうと、家から2時間くらいのこの湖へ出掛けてみた。
湖畔には町があったが、その手前の駅で降りて湖へと向かう。雪はそれほどでもないが、見事に表面が凍った湖がそこにあった。
ふと辺りを見渡すと、地面の様子がおかしい。どこもかしこも鱗状というか、そこら中がトゲトゲしている。
そのひとつを手に取って本当に驚いた。鱗状のもの全てが、5cmくらいはある巨大な氷の結晶だった。おそらく霜のようなものなのだけれど、こんなに大きいものは見たことがない。きっと気温は-10ºくらいだったのだろうか、寒かったけど、寒さなんかどうでもよいくらいにワクワクして、そこら中を歩き回ったのを覚えている。
辺りはすっかり夕暮れに。滲み入るような静寂のなか、ゴゴッという氷の蠢く音が遠くで響いていた。
ちなみにそんな驚くような景色があった場所は、Aha。(車内放送がかかると、だいたい誰かしらが「あ〜はぁ」と真似してた。笑)