学校
前述しましたが、8月から一年間、学校に通うことにしました。通うのは Jugendseminar(ユーゲントゼミナール)というところです。HPはこちら(日本語版)。
HP見たらわかるんですが、何やってるか良くわかんないんですよね(笑)。学校って言っても、大学でもなければ、専門学校でもない。なのでちょっと解説を加えておきます。といっても私自身、HP以上の知識には乏しいので、詳しい話は実際に行ってから体験レポートとして掲載することにしましょう。
JugendseminarはEngenという小さな町にあり、EngenはBodenseeとDonaueschingenの中間くらいにあります。Freiburgから東へぐぐっと行ったところ。列車で最短2時間はかかります。学生は全部で20~30人程度のようで、学生も教職員も同じ場所で暮らしています。全寮制というのか何というのか、まぁ生活の中に学びがある、ということです。
学ぶ内容はというと、これまた広範囲で掴み所がない(笑)。農業や天文もやりながら、演劇や彫刻や絵画もやり、牛の世話や農作業などもやる。(一泊二日で見学に行ったときも、翌朝に温室の農作業をやりました。自分で摘んだ野菜が食卓に並ぶってのも、いいもんです。)
当然こんだけの範囲を一年に込めているのだから、どれも本格的な事まではできないでしょう。でも、あらゆる方面への導入として、僕は期待してます。前にも言ってましたけど、色々なことを知っているからこそ専門知識は生きてくると思うので、生活まるまるを学びにするのは意味深いと思います。ま、やってみます。
以前の記事で「ドイツへ渡ることを考えた頃の、その最初の目的へと足を戻します。」って書きましたけど、それについて言及しておきます。学校で学ぶことのひとつ、そして学校の基礎的な部分をなす「アントロポゾフィー」ってのがありまして、これがその「最初の目的」なんですね。日本語化するならば「人智学」なんて言ったりもします。ルドルフ・シュタイナーって人が提案した人間に関する分析のこと(正確な定義は省略)で、教育や医学、建築、芸術など、様々な方面に応用されてます。
Anthroposophieという名前自体は昔から知ってたんですが、芸工大で芸術工学なんてのを自分なりに深めていく中で、これは知っておかにゃならんなと思ったのでありました。いちおう文献は少し読んでいたのですが、なにぶん客観的な論理を超えた主観的な感覚(あるいは超感覚)の領域を多く含むので、実感や実体験なしには理解し得ないと思ってます。それもあって、じゃぁ発祥の地ドイツへ行ってしまおうと考えたのでした。あれがたしか、2004年の12月。一年半もかかったか(笑)。
余談ですが、Anthroposophieは理解しただけでは意味がない/実際に何かを具現化してこそ意味がある、とするあたり、私が感じた「芸術工学」と似てる心意気がして共感できます。小池新二さんは、本当にどんな世界を感じていたんでしょうか。
そういうわけで、自分なりに「芸術工学」の続きを突き進んでみようと思います。この話の続きは、おそらく現地から。