Konzert
自分の中ではすっかり恒例行事になってきた、ゲーテ・コンサート。せっかくもらった発表の場なので、だいぶ利用させてもらってます。
今回は、私は結構仕事しましたよ。えぇ、自分で言うのもなんですが。会場プランの設計、照明、会場仕込み、作曲、演奏、録音、CD制作など、一人何役だ?でした。
まず、会場プラン。何を言ってんだこの若造は、って感じでしたが、ホールの配置を大幅に変更してしまいました。今まではホール中央に演奏スペースをおいて、それを客席が取り囲むカタチが慣例でした。それを、音響の面、照明の面、人の流れの面、見栄えの面などから考え直して、以下のように変更しました。
言葉で説明するのが面倒なので、こんなデッサン画を描いて渡したら、思いのほか驚かれました。他にも照明プラン図、録音プラン図があったんで、「Perfekt!」って言わせました。いや、まだまだPerfektではないんですがね(笑)。中学か高校の美術で習った透視図法が、こんなところで役に立ちました。
ゲネプロの時に実験して、このプランが採用されることになりました。
プランを考えたのが私なので、当然仕込みの指示もやることになりました。ゲーテの用務員のおじさんに、妙な信頼をおいてもらえたらしく、事務室の中の電源関係の装置を「本番のときは私いないから、おねがいしますね」と使い方教えてくれたり、脚立を借りて照明を仕込んだり、椅子並べの指示を出したりと、好き放題やらせてもらえました。
脚立ってドイツ語でなんて言うのかわかんないから、手を脚立みたいに机に置いて、「∧ ←これこれ!登るヤツ!どこにある?」とか言ってやってました。(Die Leiterと言います)
録音機材(たいしたのはありません)を仕込んでみると、手持ちの延長ケーブルが痛んでいたらしく、ノイズがひどい。実用レベルを完全に下回っていたので、ミニ・マイク自体のケーブルだけで限界まで延ばす。ちゃんと吊りマイクにしていたので、マイクの電源ボックスまでもが天井にぶら下がることになり、面倒なことになりました。
ところが、マイク自体のノイズ・レベルが以前より良くなっていて、結構クリアに録音できました。あとはPCとAudio I/Fの相性問題でのクリック・ノイズが消えたら、万歳なのですが。
コンサート後は、CD希望者が予想を上回って増えて、25枚を超えるCDを焼きました。宣伝したら、もっと売れたでしょうね。CD作りも慣れてきたので、おまけと称してCD-Extra仕様にして、曲目リストや出演者紹介なんかも収めてみました。出演者&スタッフには限定版で更なるおまけを収録してみたり。実費とはいえ、わざわざお金を出して買った人だから、何かおまけが付いていたら、やっぱり嬉しいはず。練習して客のために無給で努力した出演者が、さらにおまけをもらっても、罪はないはず。
さらに、出演者が一番写真を欲しいはずなのに、一番入手しにくい立場になってしまうので、今回は事前にカメラを友人に託し、コンサート全体の記録をとってもらいました。
全部合わせて、かゆいところにも70~80%は手の届いた裏方仕事ができたかなぁと思います。
さて、コンサート本番のはなし。
今回は出演人数が少なかったのですが、「クオリティが上がったね!」という好評を得ました。女性歌手がいるのですが、やはり上手い。声もいい。僕はクラシックのソプラノ歌手は基本的に嫌いですが、この人は例外。あと意欲的な作品としては、ピアニストが2人いたんですが、日本の童謡数曲を自分で連弾&メドレーにアレンジして披露した人がいました。こういう姿勢は、ポイント高いと思います。
クラスメートと同じ名前の作曲家の曲を持ってきて、演奏した人もいました。やはり小さなコンサートだし、遊び心は大切ですよ。
唯一の残念な点は、出演者の日本人率が高すぎたかなぁということ。まぁこればっかりは仕方のないことですが。でも演奏会のクオリティは確かに上がりました。
さて私はというと、前回のコンサートがあまりに退屈だったので、これは何か抜本的なことをしないと客に失礼だ、ということで、抜本的なことをしました。
まず第一に、ドラムの採用。打楽器なんて、そこらじゅうにたくさんあるじゃないですか。それで今回、プラスティック製のプラスティック用の「Plastik」って書いてある円筒形のゴミ箱を起用しました。音がいいんです。普段なにげなく見ていたものが、楽器になって登場したら、おもしろいだろうと思ったので。
第二に、楽器編成の大型化。せっかく友人でTromboneやAccordionやContrabassがいるので、この3人を起用することにしました。いままででは、普通2人まで、多くても3人までしか合奏することはありませんでした。しかし客としては大人数の方が興味を引かれるだろうと思い、さらに音圧・音色的にも豊かになるので、計5人編成としました。 まぁ作曲する側は不慣れで大変だったし、5人を生かしきる程の作曲力・構成力も私にはないし、5人で合わせ練習をするのも大変でしたが。(さらに楽譜を書くのがヘタクソなので、MIDIで打ち込んだデモCDを併用しました。)
ゴミ箱ドラムや5人編成といった「ネタ」が、単にネタどまりだったら意味がない、というプレッシャーを感じつつ、気持ちよくコンサートから帰って欲しいという願いを込めつつ、ずうずうしくも作曲段階からトリ狙いをしつつ(本当に最後に演奏しました)、1ヶ月ほどの時間をかけて作曲しました。練習スケジュールもあるので3月上旬には完成せねばならなかったりして大変でしたが、苦労が報われるくらいの反応を得ることができました。
演奏者達も、抑揚を自分で付けて
くれたり、指定していない音を勝手に出したりしてくれて、曲に色々な味付けをしてくれました。あぁなるほどね、という場面も多かったです。合わせ練習の時には、やつら(とくにAc.とBs.)が勝手に即興で合奏しだしたりして、なかなか楽しくやれました(朝7時集合でしたが)。
そんなこんなで、けっこう楽しいコンサートができました。