Messe Freiburg
先日、偶然にもチケットをもらってしまい、Messe Freiburgに行ってきました。前にFrankfurtの照明・建築のメッセに行きましたが、今回Freiburgでやってたのは「Solar」。太陽光エネルギーに関するメッセです。
Freiburgという所は、環境保全政策でも有名な場所で、その手の人達がよくやってきます。環境保全関係を学びたい/学んでいる学生が、パッと思い出しただけでも身近な知り合いで4人。
Schwalzwaldという、Freiburgから東に広がる巨大な森があるのは前にも紹介しましたね。これが以前、酸性雨で酷いことになってしまったらしく、この森の再生を願って市民の環境への意識が高まった、という話らしいです。市はドイツの環境コンテストで賞を獲得したこともあるそうですね。
ど田舎を歩いていても、突然ある家の屋根にソーラー・パネルが載っていたりします。そういう意識が市民に広がってるんですね。まぁでも本当に太陽光発電を広めるには、パネルが安い買い物では済まないのだから、よほど意識を上げるか、技術開発で値段が下がるか、高くても使いたくなっちゃうくらいカッコいいデザインを考えるか、等の条件がかかるんでしょう。
さてメッセの話。Messe Freiburgは、Frankfurtのそれのように巨大ではないのですが、屋内展示場にブースが立ち並んでいます。さぁ所狭しとアレが並んでいます。そう、ソーラーパネル。知りませんでした、こんなにたくさんのメーカーがあるなんて・・・ 素人目には何が違うのかわからないので、一体どうやって会社を選ぶのか甚だ疑問です。
そのソーラーパネルの現在の主な研究事項は、「曲面」らしいです。いまのところパネルは平面でなければならず建築物等への設置に少し制限がかかるそうで、自由に曲面を作れるパネルを開発しているところのようです。
メッセでは、マット状のパネルを使った新製品の建築用材が(実際の施工例も含め)展示されていました。少しずつ自由な曲面に近づいていってます。
太陽光発電の主な用途は、ドイツでは「温水器」が主流のようです。巨大な温水タンクがいたるところに展示してありました。中には電気を経由せず、液体を直接屋根へ送って、太陽光で温めるって方法もありました。うん、これは分かりやすくて無駄がない。
いいですよね、クリーン・エネルギー、太陽光発電。火力や原子力みたいに廃棄物も出さないし、水力みたいに巨大な設備もいらないし。もっとみんなでこれを使ったらいいのにね。
…あぁ気持ち悪い。不快感を覚えるくらい「いい子ちゃん」な発言をしましたが、それだけを言うわけにはいかないでしょう。残念ながらクリーンなだけではありません。
第一。たしかに太陽光発電は、その「発電」の段階においてはクリーンだと言えるでしょう。ところが、まだ詳しくは調べてないですが、パネルの製作段階ではよろしくない廃棄物を結構出している、という話です。無論、メッセでは語られていませんでしたけど。
つまり、もっとたくさんのパネルを作って太陽光発電を流行らせよう!というのは、裏側では毒を撒いていることにもなるわけです。おそらく重要になるのは、火力・原子力とソーラーパネルと、どっちがより少ない/汚染度の低い廃棄物で済むか、ということでしょうか。
第二。今回のメッセでは、その大半が太陽光「発電」を目玉にしていました。近頃の家庭用機器も、どんどん電気式が増えてますよね。近代的な生活は、ますますますます電気を使うようになっています。
これはどうなのか。そもそも大して電気が必要なければ、あせってエネルギー開発をする必要もないのでは?と思います。せっかくクリーン・エネルギーって言って量産しても、その消費量が上がってしまったら元も子もないのではないでしょうか。
だから、より少ないエネルギーで不自由ない暮らしをできる方法論を探り、そういう技術開発を進めていくことも、反対側では非常に重要なんだと思います。そういう展示が殆どなかったのは、イマイチでした。(企業としてやれるものではない、ということかもしれませんが。でも市のブースもあったよなぁ・・・)
そんなことを思いながら屋外へ出ると、鏡を使って焼肉や煮込み料理を作れる装置の展示があって、そうそうコレコレと納得してました。普段の生活には使いにくいけれど、キャンプなんかの道具にはいいですよね。展示としても、こういう方がよっぽど分かりやすいですよ。