ステレオカメラ製作中。
ステレオ写真っていうのをご存知の方も多いかと思います。左目で見た画像と右目で見た画像を並べ、左右の目でそれぞれを見ると、頭の中で合成されて立体に見えるっていうやつです。そのステレオ写真を撮るのが、いわばステレオカメラです。カメラの情報を色々調べてる時に、久し振りにその名前を目にして、ついついステレオ写真を撮りたい衝動にかられてしまいました。
ステレオカメラ自体の需要は昔から結構あるようで、いくつかのバリエーションが実際に売られています。一眼レフ・レンズの先につけるこんなのとか、コンパクト・デジカメ2台を駆使したこんなのとか、今でも新品で買える本物のステレオカメラとしてはこんなのもあります。
しっかし、2番目のは取り付け枠だけで5万円以上なのに加え、コンデジ2台を別に買わなきゃならず、3番目に至っては価格が60万円近くします。なんて高額な。1番目のはこの中では随分お買い得感があるけれど、それでも1万円はするし、適合するレンズを持ってなかったら、それも買わねばなりません。いずれにせよ、遊び半分で扱うには、ちょっとハードルが高い。
(ただし、使い切りカメラ2台並べるとかなら、タイミングが難しいけれど安上がりで出来ます。あと古いフィルム・ステレオカメラなら、中古で割と安く手に入ったりもするみたいです。)
ならばということで、上に挙げた3つのうち一番構造が簡単なレンズ取り付け型ステレオアダプタを作れないかと挑戦してみました。なるべくお金をかけず、工作です。
レンズ用ステレオアダプタの構造は基本的には超簡単で、要するに鏡が4枚あればいい。
↓ ↓
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| Lens |
| CAMERA |
鏡4枚を上のスラッシュのように並べれば、左右の目の位置で受けた光が、鏡で反射されてレンズの中に入ります。それだけ。これで左右の像が一枚の写真上に並び、後で立体視すれば良いのです。最低限の部品は、鏡4枚。鏡を載せる台座は、とりあえずは紙でも作れます。
というわけで、百均の出番ですね。ちょうど手鏡を売っていたので、サイズ違いのものを買ってきました。さぁ、一万円の機材に、300円からの挑戦です(笑) 買う段階ではバラせるか自信なかったので、2ツ折のを分解するぐらいのつもりでしたけど、そこは百均。思いのほかチャチな作りのおかげで、鏡だけを取り外す事に成功。だって弱っちい接着剤でくっ付いてるだけなんだもん。残されたのは、クズ同然のアルミ枠・・・
まずはこの鏡を使って基礎実験。どの角度、どういう位置関係で鏡を置けばいいのかを、予測と現物合わせを繰り返しながら決めていきます。最初はこんなみじめな姿でした。
基礎実験で得られた情報をもとに、方眼紙を使いながら(ちょっとだけ)念入りに鏡の位置を決めていき、段ボールの台座に切り込みを入れて鏡を差し込みます。(実際には中2枚しか固定していません。焦点位置を変えるためには両端の鏡は可動できる必要があるのです。)
試作第一号として、こんなのになりました。まだアダプタとはいかず、手でレンズの前にかざして使います。
これで一体どんな像が得られるのか、ということで、試し取りの写真を貼っておきます。以下の画像はサイズを縮小しただけなので、ファインダーにもこれと同じ像が映ります。構造から分かるように、平行法のステレオペアになってます。見方が分からない!という方は、「ステレオ 平行法」で検索してみてください。色々出てきます。たとえばコレ。
このサイズだと、やはり近くの被写体の方が立体感が出てますね。像の位置が不安定だったり、映り込みがあったり、歪みが出ていたりと問題もありますが、今後の課題としましょう。でも、たった4時間でこれぐらいのが作れるんですから、ちょっとした工作としては良い教材だと思います。光の反射現象がたっぷり学べますよ(笑)
つ・づ・け