漠然と、自分には足りないと思っていたもの。

 自分よりちょっと年下の仕事仲間がいて、彼は私よりずっと前から仕事で撮影をしていた人なのだけれど、その彼が仕事以外で全く個人的に撮った写真を見ていて、あぁやっぱりそうか、と気付かされました。

 何気ない日常の中に、心に残る一瞬を見つけ出す。

 そういう感性が、自分には足りないな、と思いました。近頃ずっと、勉強のために、家から事務所にいく時にカメラを持ち歩くようにしてるんですが、なかなかシャッターを切るに至らない。何か撮らなきゃ、と気持ちは急くものの、撮るべきものが見えてこない。
 休日にどこかへ出掛ければ、多少何かは撮れるけれど、だんだん住み慣れてきた「日常の空間」の仙台では、もはや目が閉じつつある。

 自分が如実に「感性の低下」を感じたのは、たしかに一昨年に日本に戻ってきてからで、以来「日本が合わなくなってしまった」とかなんとか言い訳がましく思う節が多かったけれど、

 でも、そんなん所詮は言い訳ですよね。

 もっと感動しなきゃ。

 「しなきゃ」って焦るのも変ですが、でも感動出来なきゃいけません。写真も音楽も、何かを創りだしていくのなら、全てはそれからだ。

 もっと探そう。気付かなくなってしまった世界を、もう一度。