冬のひととき

 前回の記事について、だんだん整理がついてきたので続報です。どんな話だったかというと、やたらクリスマスに周りがお熱を上げて(僕ら日本人はドン引きして)いたことと、年末年始に周りがはしゃいで(僕ら日本人がドン引きしつつイライラして)いたことでした。

 なぜ僕らがあれほどイライラ(&疲労困憊)したかというのは、ひとつには勿論2つの祭事についての周りとのギャップがあるのですが、日々感じている様々なギャップとそれによる精神疲労が積み重なり、最後のダメ押しとして2つの祭事があり、とうとう許容範囲を越えた、と考えるのが適当だと思います。
 いやー実際、日々日々ギャップは多いですよ。何かあるたびにわーきゃー言って騒いでる人も多いし、お菓子がでたら飛びついてたり、あのなーお前ら20歳前後だろー?って場面が多すぎます。日本人からすると、18歳の女の子でも引いてました。「楽しいっ!」と「つまんなーい」の差が激しいというか、まさに落ち着きの無いという言葉がしっくりきます。また自分の興味優先で、気配りっていうのはほとんど意識されてません。まぁギャップだらけなわけです。

 今回の一件で明らかになってきたこともあります。まず感覚的に捉えておいて欲しいのは、
・日本の年末年始 = ヨーロッパのクリスマス
・日本のクリスマス = ヨーロッパの年末年始
…ということです。実際クリスマスに家族の元へ帰り、そのまま親戚巡りをするというのは、よくあることのようです。一方の年末年始は、単に盛り上がる日という認識が強いと言えます。

 ここでひとつ、おもしろい事実が浮かび上がってきました。宗教的背景や日付の違いはあるけれど、どちらの文化でも冬の深まる頃に家族が集まる&一年のサイクルの基準になる日が存在する、ということです。2月の太陰暦による旧正月も、やはり同じ様相を呈していると思います。
 変な話ですけど、今の1月1日が一年の始まりである決定的根拠なんて特に無いんであって、太陽暦3月15日(てきとうです)を1月1日とする暦があったって不思議は無いわけです。いっそ冬至の日を1月1日にするほうが適当な気すらします。
 そう考えると、この冬の日に一年サイクルの基準となる日が両文化にあるというのは、おもしろい事実のような気がします。じゃぁ赤道付近や南半球の文化圏の事情はどうなってるのか、気になりますね。

 そしてもうひとつ言えるのが、この冬のある日(日本で言う年末年始)というものが、やはり自分達にとって何かしら重要な日である、ということ。ドイツ人たちがあれほどクリスマス関連の話題で盛り上がれることからも、私達アジア人がこちらの年末年始にあれほどの違和感を覚え苦痛すら感じたことからも、それがうかがえると思います。どうでもいい日だったら、そこまでなりません。

 日本にいる頃や去年みたいに一人暮らししている時はこんなこと思いもしませんでしたが、ここで実際に文化の違いに挟まれてると再認識することも多いですよね。なんだか徒労感に恵まれる日々も多いのですが、読み取り方次第で重要な経験を積んでいる気もします。

P.S.
 異文化圏の人間達の意見に興味を持って、きちんと深い話ができるスタッフは貴重です。真摯な気配りすら感じます。Sandraさんありがとうございました。おかげでやっと新年を迎えられましたby日本人3人。