芸工祭 その壱

 11/22の前夜祭から25日(日)の火祭りまで、福岡・大橋の九州大学大橋キャンパスで「芸工祭」という名の学園祭が開かれていました。私が在籍していた頃以来3年振りの、初めて外から見る芸工祭でした。

 芸工祭には大型企画物がいくつかあり、前夜祭のライヴステージ、初日のダンスパーティー、2日目の空間構成イベントと噴水を使った舞台イベント、3日目のファッションショーと、最後の火祭りなどが「学園祭企画」として大人数のメンバーで構成されています。その他フライパン(中庭)でのライヴステージ、青空プロレス、芸工紹介展、そしてテントでの一般企画、フリーマーケットなどがあります。

 私が見られた大型企画は、前夜祭(1研)、Château(2研)、世界噴水教(3研)、火祭りでした。まず前夜祭について。
 例年通りライヴの音楽ステージの形式を取っており、こうして毎回始まるんだなぁという印象。その中で今年とても良いと思ったのは、「前夜祭」という事をきちんと認識して内容を構成していた点。以前であれば公演中に流していた各学園祭企画のCM映像を開場前に大画面で放映していたので、待ち時間の有効活用にもなるし、舞台の雰囲気を壊さずに済むので、うまいやり方だと思いました。
 もうひとつ良かったのは、2、3、4研、CBAがステージ上の一枠を使って、ライヴ演奏の形式で企画紹介をやっていた点。他企画を自分たちの企画に登場させる心意気は評価できるし、「前夜祭」の存在意義をきちんと受け止めて構成していたと思います。見終わった後、満足感すらありました。

 Château(2研企画)という舞台は、2研の性分なんでしょうか、やはり空間の作り込みが上出来な代わりに、公演の中心だったパフォーマンスが物足りないのが残念。今回は影がテーマになっていて、パフォーマーも全て真っ黒な姿をしていて、舞台・通路の美術も影のテーマに沿ったものになっていました。パフォーマンスは単体で見せられる腕前ではなかった上に時間も短かったので公演としての質は下がってしまったように思えましたが、多次元ホールという空間をいかした舞台作りは見事でした。入口・出口の美術や通路の壁、ホール内に入る階段の飾り柵の細かさなどは、やはりすごい。(その代わり壁のパネルつなぎ目の処理はちょっと… 布テが見えてましたよ。) 自分がいた企画なので、やっぱり色々気になってしまいますね、良い点も悪い点も。写真を持っていないので紹介できないのが残念。

 世界噴水教は、芸工祭のHPが動き出した最初から、他を圧倒する、斜め上に抜きん出た存在感を放ち、福岡に来る前から今回の注目株でした。2時間にわたる公演は、久しぶりに声をだしてゲラゲラ笑ってしまいました。(ごめんなさい。まじめなテーマだったんですよね。) 途中の映像など、これ絶対作りたかっただけなんだろなーっていうのが多かったですが、それぞれがよく出来ていて面白い。公演自体の内容としては薄い印象がありましたが、それを上回る構成力があったように思います。

 フライパンライヴを聴きながら入れる「井尻寮風呂」(ドラム缶風呂。案外いい湯なんです。)なんて異色もありますが、一般企画は割と普通なテントのお店が中心。商売っ気があまりなく、OBやメンバーの溜まり場になるのは大学の学園祭の特徴ですかね。私もそういう場所があったおかげで学祭中の居場所があって助かりました。

 芸工紹介展の充実度は(おそらく例年通り)低い。入り口の案内パネルの出来はいいのですが、どうしても人が入らず、なおかつ展示内容も充実していない。研究室や学生からのサポートが少ないんだと思いますが(実行委員会の方々は大変でしょうけど)、せっかく大学に人がやってくる数少ない機会なので、これをうまく利用しないのはもったいないと思います。

 火祭りと、全体への俯瞰的な視点に付いては、また次回に。