写真:せり鍋専用の銅鍋メインビジュアル
2020年11月に、銅職人に起源を持ち創業約425年になる仙台の「タゼン」で、せり鍋に特化した銅鍋を開発・商品化しました。そのポスター・ウェブサイト等のメインビジュアルを担当しています。
現在のタゼンは住宅のリフォームや火・水回りのことを広く扱っていますが、伊達政宗が招致した御銅士(おんあかがねし)に由来し、時代に合わせ銅に特性を活かしていく中で、風呂釜を作り、現在のような仕事に広がってきたもの。その歴史の中で、同じく仙台の郷土から生まれた新しい名物である「せり鍋(せりしゃぶ)」をより美味しく食べられるための鍋を開発することになりました。
完成した仙臺銅壺(せんだいどうこ)「せり鍋」は、その材質と形状とで、せりをより美味しく、美しく食べることができるようになっています。また飲食店にとっても導入しやすく、職人(メーカー)と飲食店とが共に長い付き合いを続けられるよう、レンタルを中心とした商品展開としています。
このメインビジュアルは、特徴的な形である「四角形」、様々なサイズ展開をどストレートに見せる写真。また写真のせりは、仙台のせり鍋の立役者でもある三浦さん(せり農家)のものを、撮影している台はタゼン一番町店の銅の工房のものです。また説明する際に大きさが分かるよう、リーフレットには「実寸」で印刷されています。
ちょっと余談。せりの出荷が製品発表の時期ギリギリになっていたんですが、生産者として「せりのタイミングを大切にする」という姿を(デザインチーム一同が)理解していたので、せり待ちをしての撮影・リーフレット印刷、となりました。
完成したリーフレットはポスターとしても掲示できるものなんですが、飲食店側としてブラッシュアップ・ヒアリングに協力してくれた「こうめ」さんでは、とても気に入って額縁に入れて飾ってくれているそうです。撮影者としては本当に嬉しい限り。
実はこれを撮影するもっと前、ほんとの初期の企画段階から近くで話を聞いており、また私自身も銅を打ってお猪口や小鍋を作って銅に触れていました。少しでも素材を知り、職人の方と何度も話をしながら、事前に深い部分のすり合わせができていたからこそ、良い写真になったのかもしれません。
おまけ。撮影リハーサルの様子。笑